虐待のご相談で多いと感じるのはご自身が虐待被害の影響を受けている方です。
虐待の世代間連鎖と言いますが被虐待児の約2/3は自分の子供に虐待をしないという統計があります。
しかし虐待をしてしまう母親の多くはかつての被虐待児だという統計もあります。
被虐待体験とは
人間関係の基礎を学ぶべき時に学ぶべき人から極度の恐怖と悲しみ、緊張を与えられ続けてきたということです。
この方たちの対人関係の基礎は「人は自分を傷つけるのもの」そして「身を守るために警戒する、または先制攻撃をする」です。
それは本能レベルで命に刻み込まれていて、自分の意志で変えるのは本当に困難なのです。
お母さんたちはいつも戦場にいて、自分を傷つけるミサイルや銃撃から身を守りながら生きてきています。常に戦闘態勢で、傷つけられそうになったら先に傷つける。
1歳の子どもが自分を責めていると思う、自分をバカにしていると思う、殺されると思った
などというお話をききます。
本人はそれは自分がおかしいと思ってはいるが、とっさにそう思ってしまうと言います。
子供に傷つけられると思うのは、自分をかつて痛めつけた親を投影しています。
子どもへの暴力は親への仕返し、悲しみから来た怒り、という側面なので必要以上になぐってしまって止められないのです。
必要以上に感情が高ぶるのは自分の身を守る本能から。
なぜやめられないの、の答えは、、、、、それは自分を守る本能だからです。
そして子どもを思うとおりにコントロールすることで得られる
・自らの有能感、万能感、自己肯定感
・周囲からの評価
・虐待の家庭でモデリングとして学んできた
・支配被支配の関係 親が子を支配する、言うことを聞かせる
・そしてその支配の手段としての「暴力」
が 生活や行動に刻み付けられています。
何度も言いますが人間関係の基本を学ぶべき時期に学ぶべき人から
しかも長期間にわたって刷り込まれた情報ですので
自分の強い意志で治そうと思っても簡単に変えることはできないのです。
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