米国精神医学会(DSM-5)によれば、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、
実際にまたは危うく死ぬ、深刻な怪我を負う、性的暴力など、精神的衝撃を受けるトラウマ(心的外傷)体験に晒されたことで生じる、特徴的なストレス症状群のことをさします。
出来事の例は、災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、虐待などが挙げられます。そのような出来事に他人が巻き込まれるのを目撃することや、家族や親しい者が巻き込まれたのを知ることもトラウマ体験となります。
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1.医療の助け
2.戦場に居る。味方になること
3.子どもへの影響
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1.医療の助け
虐待のご相談にかかわるとき、トラウマについての基本的なことは知っていないと理解できないことがあります。
そして私ごときではどうにもならない無力感を感じることもあります。
必要なのは医療です。
専門家の豊富な情報、洞察と理解が、苦しんでいる方に抜け出す方向性を提示できるのだと思います。
何が得られるのか。医師や薬は万能ではないかもしれない。いつでも期待通りにはいかない。でも他のどこよりも情報と経験を持っていて助けになることは確かです。
2.日常は戦場かもしれない。
でも誰かが一緒にいる
トラウマの記憶は冷凍保存だと言います。恐怖体験のその時間その場所に瞬時に移動する。同じ恐怖を同じ大きさで体験する。
心臓の動悸や手の震え、吐き気、頭痛など自分の意思ではコントロールできない。その場所を通れなくなったり加害者と似た人に近寄れない、様々な生活の困難。
日常は戦場のようなものかもしれない。
カウンセラーがお手伝いできることは恐怖を吐き出していただき、その苦しみを想像し、理解すること。
そして生活での支障を少しでも少なくするために何ができるかを一緒に考えることです。
一人で恐怖と戦う
より
誰かと一緒に戦う
それはもちろん医師でも友達でもパートナーでもいいのです。一緒に横についていてくれる人がいたら、負担は少し軽くなる。
そんな誰か、そんな味方になれる候補のひとりとしてカウンセラーというものを知ってほしいです。
3.子どもへの影響
ご自分のトラウマではなく、
現在子どもに対しての暴力暴言が将来トラウマになるのでは、という不安を持っていらっしゃる方も多くいると思います。
そんな方にはこれからそれを癒すことは可能だとお話します。
脳は可塑性(作り変えられる能力)を持っている。
人間にはレジリエンス(元に戻る力)がある。
今気づかれていることがすごく重要です。
あなたが今、暴力や暴言を問題だと思っているなら変化は起こせる。
気付くことができなければ変えることができない。気付いているからあなたは自分の行動を変えることができるのです。
あなたご自身のトラウマがそうさせているなら受診の選択も入れてください。変えたいと思うなら、その行動を起こせばいいだけです。
なにをするかって?
その答えをあなたは知っている。
簡単じゃない。
でも何ができるのか考えてみてください。
あなたは今、行動する力を持っています。
自分を信じて。
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