人間も動物の一種類です。
ヒトは哺乳類であり、
当たり前ですが、哺乳類の他の動物とヒトは同じ部分があります。
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1.哺乳類と社会的環境
2.母から隔離された子ザル
3.可塑性(かそせい)
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1.哺乳類と社会的環境
以前講座でこんなことを聞きました。
ミルクがあっても、社会的な環境が無いと乳児は免疫低下で生きていけないという事例でした。
1930年ごろアメリカの小児科病棟でのお話です。乳児の死亡率が高く、その原因は院内感染と低栄養に依るとし、
衛生を徹底させるために乳児を小さな無菌の箱に入れて、母親、看護師、医師とも一切接触を断ったというのです。
細菌には触れず、極めて衛生状態が良かったのに乳児たちは体重が落ち、免疫が低下して更に死亡率が上がったというのです。
また、ハリー・ハーロウの実験、
母ザルや他のサルからから引き離して1匹で隔離した子ザルに
ミルクを出すけれど、針金でできた母の人形と
ミルクを出さないが布でできた母の人形をそばにおいて実験したそうです。
2.母から隔離された子ザル
子ザルは針金の母人形にはミルクを飲むときだけ行って、あとは常に布の人形にずっと抱き着いていたということ。
その隔離されたサルは成長すると、無気力、うつ状態、他者に恐怖や攻撃性
遊びなどができず孤立、子を虐待、育児できない、などの影響が出ました。
(気を付けないといけないのは、このサルはその後ほかの仲間も、生きてる母親とも全く接触をもたずに2対の人形だけとずっと暮らしたということです。人間で同じ状況はできませんね)
つまり、食べ物と安全な環境だけがあっても、誰かがそばにいないと哺乳類は正常に育たないということです。
社会性は乳児時期に栄養や衛生と同じくらい大事だけれど、でもサルもヒトも、哺乳類には「可塑性」というのがある、とお話していました。
3.可塑性(かそせい)
可塑性(かそせい):脳は環境に合わせて柔軟に変化し、適応する。
大人より子どもの方が可塑性(学習し適応する力)は高い
しかし多くの場合、大人になっても学習(調整)は可能
先の実験のサルは途中から、隔離された檻から、他の正常なサルをのぞけるようにして
⇒数週間のぞける状態を続け、その後、正常なサルと檻で一緒に生活するようにしました。
するとそのサルは優しく触ったり遊びを求めてくるようになり、何か月もかけて隔離ザルも一緒に遊ぶようになった。育児もできるようになったとの研究です。
虐待しているかもしれないというご相談に、
子どもの脳を自分は破壊しているでしょうかと聞かれるときがあります。
その方に
可塑性(かそせい)があるのですとお答えします。
いつになっても
何歳になっても人は変化し、適応するのです。
あなたの対応を今変えられれば子どもはいくらでも変わると伝えます。
その時一緒に「急がないで」、ともお伝えします。
変わることは簡単じゃない。
でも焦らずに諦めず
ダイエットも急激にがんばるとリバウンドすることがありますね。
我慢して我慢して、一気に爆発しては意味がありません。
変化は少しずつ。
小さな今日の変化が未来を変えることを、硬く信じる「強さ」が
実は一番必要かもしれません。
あなたはどう思いますか?
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